SMI-S
ストレージの世界でも、マルチベンダの製品によって構成されるストレージネットワークはごく一般的なものとなっている。これを管理するためには、いろいろなベンダから提供される機器やソフトウェアに対して共通に情報取得と操作を実現する必要がある。
ストレージ運用管理ソフトウェアが管理対象のハードウェア・ソフトウェアと情報操作をやり取りするインターフェースあるいはプロトコルは、当初のストレージ管理がDAS管理から始まったこともあって、これまではベンダごとに固有の方法を用いていた。そのため、マルチベンダストレージ運用管理の実装にあたっては、ベンダ間でアライアンスを組み、その中で必要なインターフェースを公開するなどの取り組みが行われてきた。しかし管理ソフトウェアおよび管理対象のストレージの種類が急速に増加しているため、このような個別対応には限界があり、ストレージ運用管理ソフトウェアと管理対象の間のインターフェースに関して何らかの標準化が必要となってきた。
先に述べたように、管理ソフトウェアと管理対象間の情報取得や操作で多用される標準プロトコルのひとつにSNMPがあるが、その上で情報を授受するために使われるMIBのデータ構造が各社まちまちであるために、マルチベンダストレージ管理は十分実現できていない。このことは、単にプロトコルやインターフェースの標準化だけではなく、これを通じて拝受される情報や操作の意味、すなわち管理対象のオブジェクトモデルの標準化が必要であることを示している。
マルチベンダのSAN管理を実現するために標準化団体DMTF(Distributed Management Task Force)が制定し運用管理で多用されるCIM(Common Information Model)に基づいて、管理対象となるストレージ資源種ごとに共通のオブジェクトモデルを規定し、さらに管理対象と管理ソフトウェア間の情報や操作の授受を、やはりDMTFが規定するWebベースの運用管理基盤WBEM(Web-Based Enterprise Management)によって行うための標準仕様がSMI-S(Storage Management Initiative Specification)である。見方を変えれば、汎用的な運用間技術であるCIMおよびWBEMを、ストレージネットワークの管理に向けて、具体化・最適化したものであるともいえる。