SMISがストレージ業界に及ぼす影響 SMIS Impact on the Storage Industry 要旨:本白書は、SMIS(Storage Management Initiative Specification)の採用がストレージ産業に及ぼすと予測される影響について説明する。この仕様を実装するベンダにとっての利益を列挙し、SMISが創出する新しい市場についても示す。 マルチベンダSAN(Storage Area Network)の効率的な管理は、エンドユーザとインテグレータの両方にとって大きな関心事である。実際、SANの価値提案の中核をなすのは、リソースを共有し、もっと効率的に利用できるように、企業内でマルチベンダリソースを統合する能力である。今日、マルチベンダSANの管理には、複数のベンダが提供する一貫性のないアプリケーションセットの使用が余儀なくされる。また、こうしたアプリケーションは、ビジネス効率の向上に必要とされる機能、ディストリビューション、セキュリティ、信頼性を欠いている。さらに、SANの管理コストの高さが原因となって、エンドユーザは、ストレージネットワーキング技術を積極的に採用しようという意欲をそがれている。また、今日のマルチベンダSANに導入されている管理APIに互換性がないため、エンドユーザは、ストレージネットワーク構築時に、複数のサプライヤ間での選択ができない状況にある。 2002年央に、SNIA(Storage Networking Industry Association)は、ストレージネットワーク管理用の高機能オープンインタフェースの創出と普及を目的としてSMI(Storage Management Initiative)を発足させた。SMIの任務には、SNIA内で技術、教育、マーケティング、コンファレンス、相互運用性を担当している各グループの活動が含まれる。SMIの目標は、オープンなストレージネットワーク管理インタフェース技術をSMIS(SMI Specification)として提供することである。図1は、SMISアーキテクチャの概念図である。
図1に示すように、SMISは、ストレージネットワークで管理が必要とされるオブジェクトと、その管理に使用されるツールの一元化を意図している。SMI(Storage Management Initiative)の目標は、SMISがユニバーサルに採用されるようにストレージ業界に対して働きかけ、最終的にすべてのストレージネットワークコンポーネントにネイティブなSMISインタフェースが実装されるようにすることにある。すべてのコンポーネントが共通インタフェースを備えることにより、コンテナとストレージリソース管理アプリケーションの両方について、管理機能の実装は簡単かつ低コストになり、そして最終的に堅牢なものとなる。また、安定した管理インタフェースは、ファイルシステム、データベースマネージャなどのアプリケーションによるネットワークストレージリソースの直接管理を促進することになる。 SMISは、DMTF(Distributed Management Task Force)の開発によるCIM(Common Information Model)とWBEM(Web Based Enterprise Management)規格を基礎にしている。 現在のストレージ管理アプリケーション現在、デベロッパは、総合的なネットワークストレージ管理アプリケーションを提供するに当たり、複数のデバイスベンダの互換性のないインタフェースを統合するという難問に直面している。こうしたばらばらのインタフェースには、さまざまなトランスポート技術、プロトコル、オブジェクトモデル、イベント通知システム、セキュリティ機能、持続的ネーミングサービス、検出(ディスカバリ)システムが採用されている。この統合作業の結果は、規模が大きくコストのかかるカスタム統合インフラであり、そうしたインフラは、次のような弊害をもたらしている。
こうした弊害は、高い管理コストと顧客満足度の低下につながり、いずれも、生産性にマイナスの影響を及ぼす。また、時間の経過とともにユーザはより多くの機能を求めるようになり、導入されるデバイスの数もインタフェースの数もともに増えることになる。管理アプリケーションはより複雑なものとなり、これに呼応して、市場投入時間が長くなり、堅牢性が低下する。図2はこの状況を示している。
図2に示すように、総合的なストレージネットワーク管理アプリケーションでは、サポートの対象となるデバイスタイプごとに複数のオブジェクトモデルが必要とされ、相互に通信するための管理プロトコル、トランスポートプロトコルも必要である。また、サポートの対象となる各コンポーネントについて、そのオブジェクトモデルおよびプロトコルインフラとの適性を検証することも必要である。 こうした複雑な管理インフラを構築し維持するコストは、収入の増加として回収されることはない。ユーザは、インフラに対して料金を支払うのではない。ユーザが料金を支払うのは、機能、カバレッジ、単純性の形で自身のITオペレーションにもたらされる価値に対してである。したがって、今日、多数のマルチベンダデバイス/サブシステムの統合に苦闘し、それに伴う市場優位を得ようと努力している管理ベンダは、どうしても、競争力のない製品を製造することになる。 |
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