SNW-US SPRING 2002
SNIAのCIMデモンストレーションの技術的背景
追加情報:www.SNIA.org/CIM
マルチベンダストレージネットワークとそのリソースの管理は、エンドユーザとインテグレータにとって大きな課題です。これに対して共通情報モデル(Common Information Model:CIM)とWebベースエンタープライズマネージメント(Web Based Enterprise Management:WBEM)を利用することにより初めての相互運用が可能なオープンな環境のスタートをする事が可能となります。このテクノロジにより、効率的なマルチベンダマネージメントが可能になり、またエンドユーザは、マルチベンダネットワーク構築を成功させることが可能となります。
WBEM/CIMベースのストレージマネージメント機能でSNIAが進めるデモンストレーションは、SNIAのテクニカルワーキンググループとメンバ企業との協力によるものです。WBEMを標準ベースの「API」として、またCIMを基礎となるオブジェクトモデルとして、ストレージネットワークのためのシームレスなマルチベンダマネージメント相互運用性を確立します。
Webベースエンタープライズマネージメント(WBEM)は、分散マネージメントタスクフォース(Distributed Management Task Force:DMTF)の開発による一群のマネージメントおよびインターネット標準アーキテクチャです。これまではSNMPやCMIPなど従来からのマネージメント方式で管理されていた企業コンピュータ管理環境のマネージメントを統一します。WBEMは、新しいWebテクノロジを活用した、より統合化された標準ベースのマネージメントツールのセットを送り出す能力を業界にもたらします。DMTFでは、WBEMを構成する標準のコアセットを開発しています。これには、データモデルである共通情報モデル(CIM)標準、符号化仕様のxmlCIM符号化仕様(xmlCIM Encoding Specification)、および伝送メカニズムであるHTTP上のCIMオペレーション(CIM Operation over HTTP)があります。
共通情報モデル(CIM)は、マネージメントデータを記述するための言語と方法です。理想的には、タスクを実行するのに使用する情報は、本質的に異なるグループの人々が使用できるように定義/構成されます。これは、個々のドメイン内で作業する人が必要とする詳細のモデルや表現方法を作り込むことにより可能となります。そうした手法を、情報モデルと呼ぶことができます。情報モデルには、表現を取り込むための正規のステートメントタイプまたは構文のセットと、ドメイン(この場合は、複雑なコンピュータシステム)の共通部分を管理するために必要な実際の表現を集めたものが要求されます。共通部分を重視しているので、DMTFではこの情報モデルをCIM、(Common Information Model)つまり共通情報モデルと呼んでいます。
DMTFがメンテナンスするCIMスキーマには、システム、アプリケーション、ネットワーク(LAN)、およびデバイス用のモデルを含みます。CIMスキーマによって、プラットフォームやアプリケーションが違ってもマネージメントデータを標準フォーマットで記述できるので、多様なマネージメントアプリケーションでデータを共有することができます。xmlCIM符号化仕様はXMLエレメントを定義し、ドキュメントタイプ定義(Document Type Definition:DTD)で書かれています。これを使って、CIMのクラスやインスタンスを表すことができます。HTTP上のCIMオペレーション仕様は、HTTPへのCIMオペレーションのマッピングについて定義しています。これによって、実現したCIMをオープンで標準化された方法で相互運用し、WBEMをサポートするテクノロジを完成することができます。
マネージドオブジェクトフォーマット
(Managed Object Format:MOF)
CIMで得られるのはオブジェクトの厳密で完璧な定義であり、管理する環境に関して使用可能な情報をその中で取りまとめることが可能な、よく知られた概念的枠組みを提供します。CIMは、オブジェクトスキーマに対して動作するコードを記述する必要のあるプログラマや、新しい情報を管理環境の中で使用可能にしようとするスキーマ設計者によって明確に理解されるものと想定されています。CIMマネージメント情報は、マネージドオブジェクトフォーマット(Managed Object Format:MOF)と呼ばれるインタフェース定義言語(Interface Definition Language:IDL)をベースとした強力な言語で記述されます。MOFは、オブジェクト定義をテキスト形式で記述する方法の1つで、マシンで読み込んだり、インタフェーススタブコンパイラのオブジェクトマネージャをサポートすることもできます。定義を記述するための構文を設定します。MOF仕様の主要な構成要素は、テキストで記述したクラス、関連付け、プロパティ、参照、方法、インスタンス宣言と、それらに関連付けられた修飾子です。
HTTP 上の xmlCIM 伝送
第1の目的は、このインタフェースの基礎となる通信技術やオブジェクトモデルの進化とともに、ベンダ間でのシームレスな相互運用性を強化することです。そのため、WBEM伝送スタックでは、技術進歩とともに他のプロトコルを(必要なら)自在に使用することができます。もっと重要なのは、ベンダが固有の拡張機能を開発し、機能セットを変更し、その結果、サポートするオブジェクトモデルが変わっても、メッセージと伝送構文は一定で、相互運用が可能なことです。
HTTP上のCIMオペレーションでは、普遍的かつ動的にあらゆるCIMモデルを識別、マップ、および管理するのに必要な指令(directive)の基本セットを詳しく記述します。指令のこの基本セットは、あらゆるマネージメントの枠組み(たとえば、オブジェクトの作成、オブジェクトの削除、インスタンスの作成、インスタンスの削除、クラスの列挙、関連の列挙、関連のトラバースなど)にほぼ共通で、マネージメントクライアントは、マネージメントリソースをその判断で動的に識別することができます。
この種の指令を「固有の方法(intrinsic methods)」と呼びます。HTTP上のCIMオペレーションでは、個々のオブジェクトクラスの仕様に固有の指令を定義して実行できる能力もクライアントに提供します(例:chop<method>、apple <object-class>)。この種の指令を「非固有の方法(extrinsic methods)」と呼び、ベンダはオブジェクトモデル固有の機能を提供することができます。
xmlCIM符号化とHTTP上のCIMオペレーションとを組み合わせても、この伝送スタックを伝えるために選択する物理ネットワークには何の制限もありません。たとえばベンダは、この伝送スタックを搬送するために、ファイバチャネル上のインバウンド通信またはアウトバウンド通信を選択しても、またインバウンドとアウトバウンドの物理ネットワークを混ぜて選択しても構いません。
CIM オブジェクトマネージャ
(CIM Object Managers:CIMOMs)
CIMオブジェクトマネージャを使用すると、ベンダは、コンピュータシステム、ストレージメディア、ネットワークポートなどの標準オブジェクトとその相互関係をエンタープライズコンテキストで定義して管理することができます。CIMOMは、サービスレイヤとして動作し、データプロバイダをクライアントアプリケーションに接続します。現在のCIMOMは、多様な言語で記述され、オープンソースコミュニティで直ちに利用できます。また、オペレーティングシステムインスタンスのコンテキストでCIMモデルを管理しようとするベンダのためのインフラストラクチャの基本となります。
SNIAベースのWBEM標準
ストレージネットワーキング・インダストリ・アソシエーション(Storage Networking Industry Association:SNIA)は、非営利団体の1つで、世界中の300を超える企業と個人で構成され、その範囲は実質的にストレージ業界全体に及んでいます。SNIAのメンバは、1つの目的を共有しています。それは、ストレージネットワークがITコミュニティ全体で効率的で完璧、また信頼性のあるソリューションになることを確実にし、業界の着実な発展を図ることです。このために、SNIAは、オープンなストレージネットワーキングソリューションをより大きなマーケットに投入するCIMおよびWBEMベースの標準規格や教育、サービスの供給を独自に約束しています。詳しくは、SNIAのWebサイト、http://www.snia.orgをご覧ください。
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